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2008年 10月 12日
トナーはテーブルの上に置いてあったお弁当が気になるらしく 勝手に包みの結び目をほどき、何度も蓋(ふた)をあけては中身を覗いていた。 羊の燻製、オムレツ、ミートボール、サラダなど重箱にぎっしり詰め込んであった。 トナーは恐る恐る摘まみ食いをしようとする度にアルス叔母さんが小声で耳元に囁いた。 「コラ。トナー」 トナーの手を軽く叩いた。それでもトナーは食べたくて仕方がなかった。 「叔母ちゃん。食べたいよ」 トナーは昨夜からご飯らしいものを食べてなかった。 いや食べれなかったといった方が正しいのであり、食べたものといえば 庁員や隊員から貰ったチョコレートやスナック菓子である。 小さな窓から光が差し込んだ朝方、庁員と思われる老人がアルミのトレーに 入った食事を差し出された。オートミールとくず野菜の炒め物と小さなカップに入った ミルクスープを一口食べたが便器に吐き出してしまった。 豚のような餌でまったくと言って美味しくなかった。腹をすかせていたトナーは 弁当を横目で見詰めると次第につまみたくなってしまい、 親指と人差し指ですこしずつつまもうとするとアルス叔母さんが 目を光らせ、トナーの横っ腹をつついた。 「駄目!」 アルス叔母さんは重箱の蓋を閉めると包みを閉めなおしからお弁当を足元に 置いてしまった。 ロフェアロ護視正は二人のやりとりを黙って見ていたけど我慢できずに 口を出してしまった。 「トナー君。今、お弁当を食べたいよね。でもお姉ちゃんのお仕事が終わってからねぇ~」 と女性らしい口調で薄ら笑顔で言った。ロフェアロ護視正も一応女性で多少の気遣いは 出来る女性であり、本来は品がある女性だけど聴取となると自分の流れで取調べする には、多少の脅しも必要であった。彼女もイガルバ部長と同様にネチネチした聴取を とり続けていた。そう、アルス叔母さんも昨日の経験から事情聴取と言うものがなんなのか 嫌というほど経験し、苦手意識がある。 護衛庁の連中は頭ごなしに罪を認めさせるやり方は不服に思い、 アルス叔母さんはロフェアロ護視正には警戒していた。 トナーはアルス叔母さんの顔をチラチラ見ると、普段のアルス叔母さんと違って 口を一文字にして余計な事を言わないように黙秘すると強張った顔になっていた。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 10月 07日
ロフェアロ護視正が鬼のように睨み付けるとリックバル叔父さんは肩をすぼめた。 「おい。お前!どけ!涙の再会シーンはいつまで続けるんだ。トナーを帰さないとは 言ってない。お宅ら夫婦は早とちりをしておるな。今回の事件はトナー・ハロルドという 少年をどうするかは王様が判断することになっており、それに不服と思うなら裁判で 争うがいい。しかし王様に逆らえる弁護士は奇人変人と言っていい。私にはわからん。 マスコミ関係者はトナー・ハロルドに何故?こんなに注目するのかわからない。 単に人気ある小僧で、こやつに騙されているだけで、単に可愛い。 可愛い犬や猫を見るような目線で集まった野次馬なんか1週間もすれば忘れるはず」 女は血も涙もないようなえげつない言葉遣いで攻めてきた。 ババロア夫婦は迫力に押され、しゃべれなかった。そう負けず嫌いなアルス叔母さんは 5秒ほど黙り込んだが、ロフェアロ護視正を睨み返した。 「ちょっと待った。トナーだけが悪者するなんて可笑しいじゃないの。 ケーキ屋の前に並んでくれた女の子はテレビを見て集まった子じゃないの。 それが迷惑だと通報があって、トナーが人間の子どもだからすぐに釈放できないなんて 可笑しくない。この子だけが何で一週間も留置所に入れられなきゃならないの!」 アルス叔母さんは机をバァンと叩き、ロフェアロ護視正に言い返した。 すると、廊下にいた隊員が部屋に飛び込んできた。 「何事ですか?あっ。ロフェアロ護視正殿」 平の護衛隊員が飛び込んできて、聴取の様子を伺った。 「なんでもない!おい!お前、どこの所属部隊だ」 ロフェアロ護視正が唸った。 「はい、私は10番隊の隊員です」 「おい。お前。今は聴取中だ。自分勝手な判断をするな。おい新人なのか?」 「はい。今年の4月に入隊したばかりで御座います」 「下がって宜しい」 とロフェアロ護視正は言った。隊員は落ち着かない面持ちでドアを開けて 、振り返ると深深く敬礼をしてから去った。 3人はそれぞれ席に座り、最後にロフェアロ護視正も落ち着いたところで取調べを再開した。 「10番隊の隊長って、バカと聞いていたけど部下もバカだな」とロフェアロ護視正は呟いた。 女はファイルをせかせかとめくると聴取には占い師に関する情報が書かれてあるのを 黙認した。そして占い師との手紙と照らし合わせた。 「坊や。もう泣かないの。男の子でしょ」 とロフェアロ護視正がニコッと微笑んだ。 トナーはロフェアロ護視正という女が怖くなってきた。悪魔になったと思えば、天使みたいに 優しい顔になったり、コロコロと性格が変わるようすはまるで万華鏡のように変化した。 頭の良いトナーは口数が次第に減ってゆくと彼女を見ていた。トナーはアルス叔母さんから 離れないように腕にしがみついていた。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 10月 06日
コンコンとドアの叩く音が聞こえると男の声がドア越しから聞こえた。 「ロフェアロ護視正殿!トナー・ハロルドを連れてきました。失礼します」 男がドアを開けると同時にアルス叔母さんがロフェアロ護視正をはねのけて 涙目でトナーに向かっていった。 「トナー。会いたかった。会いたかった。大丈夫だった! ねぇ!トナー。トナー。うん。うん。 叔母ちゃんが何とかするから、それまで待っていて」 アルス叔母さんは涙目でトナーをギュッと抱きしめた。他人から見れば親子 のように二人の間には特別な関係がすでに築かれていたようにも錯覚した。 ロフェアロ護視正は冷たい目で二人を直視し、立ち上がったがその場から 一歩も動かなかった。否(いや)動けなかったと言った方がいいだろう。 孤高の鉄仮面の心の中にも母性本能があった。 子が母の愛を求めるのは仕方がないことを理解していたのであった。 「叔母ちゃん。ヒィックヒク。ヒィック。ウッエーン。ワァー」 トナーは大泣きし、アルス叔母さんの胸元で泣き崩れていた。 隣にいた男が口を開いた。 「トナー・ハロルドを連れてきたので、私は退室させていただきます」 と護衛庁の男が一歩下がり、軽く敬礼してからドアを閉めた。 「ご苦労さま」 ロフェアロ護視正は咄嗟に言うと、女は二人のそばに寄って行った。 「アルスさん。トナー・ハロルド!ん。それともトナーちゃんと呼んだほうが良いかな? 取調べを行って良いですか?アルスさん。アルスさん。だから、こちらの席にかけて 下さい!」とロフェアロ護視正が一喝した。 それでも抵抗するアルス叔母さんだった。そして、このままトナーを連れて帰りたかった。 取調べなんか受けたくないと溢れ出す涙が物語っていた。 「いや。いや。あんたも女なんでしょ。どうして?そんなに冷たいの。 あんたッ!もしかして独身。子どもを生んだことがないから! そんなに冷たいんだ!あんたッ!付き合っている男はいるの?」 とアルス叔母さんが言った直後 「黙れ!黙れ!黙れ!」とロフェアロ護視正は怒鳴り散らした。 リックバル叔父さんは心臓が止まるほど驚くと、慌てて二人のそばに駆け寄り 仁王立ちしていた。 「あ、あんた!あんたもやっぱりトナーのことが好きだったんだね」 とアルス叔母さんが言った。 リックバル叔父さんはママの顔を見ると優しく微笑んでいた。 「そうだ。トナーは家(うち)の子だ」 トナーは嬉しかった。「叔父さん。叔父さん。叔父さん。」 かすれるような小さな声で何度も何度も涙を流しながら言ったトナーだった。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 10月 05日
ロフェアロ護視正はトナーとの約束を守って、ババロア夫婦を護衛庁に呼び出した。 夫婦は特別に護衛庁内の会議室を案内され、5分ほど待たされた。 ロフェアロ護視正は小脇にファイルを抱え込んで、会議室のドアを ノックしてから入ってきた。彼女を目にしたアルス叔母さんはいきなり声を荒げた。 「トナーは。トナーに会わせて。お願い!あの子は無罪なの!何も悪くないから! 会わせて。お願いだから」 アルス叔母さんは涙目で訴えてきた。 隣にいたリックバル叔父さんも頷き、ジッとロフェアロ護視正を見ていた。 「昨日の今日で、再び護衛庁にお運び頂き誠にありがとうございます。 二人の聴取と部下の報告から現在、トナー・ハロルドのことについて 取調べを行っておりますので、2週間ほど身柄を預けさせていただきます。 そして占い師の手紙の方を持参していただくように頼みましたがありますか?」 リックバル叔父さんは黒かばんから手紙を出すと、机の上に置いた。 それを見ていたアルス叔母さんがサッと横取りして、 ロフェアロ護視正にすぐさま手紙を手渡した。 「その手紙は返してもらうよ。良いかい。その手紙はトナーの実のお父さんと お母さんの手がかりとなる大事な手紙なんだよ。破り捨てたり、燃やしたら 承知しないから」とアルス叔母さんは不機嫌な態度でメンチを切った挙句、喧嘩越しで言った。 「わかっています。この手紙は今回の事件で重要でありますので、複製しても宜しいですか?」 ロフェアロ護視正は落ち着いた口調で怒りを隠して言った。 一見野蛮人にも思えるアルス叔母さんが赤の他人であるトナー・ハロルドと言う少年に 対し、こんなにも愛情を持っているのか疑問だった。そしてテーブルの上にはお弁当 らしきものと着替えなどが山積みされた様子から、トナーとアルス叔母さんの間には 特別な関係があると察した。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 10月 03日
指を咥え泣き崩れていた少年を目にしたロフェアロ護視正は 無言で冷血な面持ちで睨み付け、 女の顔とは言い難い態度で仁王立ちしていた。 寝そべっていたトナーは誰?と言うような顔をして見ていた。 「起きなさい。それか?ちゃんと座りなさい。 私はロフェアロ。あんたがトナーだね。 何で泣いてるの ?男がメソメソするんじゃない!」 ロフェアロ護視正は悪魔のような口調で脅した。 「ロフェアロ。ねぇ。何時(いつ)ここから出してくれるの。 アルス叔母さんに会いたい。ねぇ会わしてくれるまで何も 話さないからね」 トナーは意地を張っていた。 鉄格子に手をかけながらロフェアロ護視正は一瞬考え込み、 唾を飲み込んでから話しかけた。 「わかったわ。アルスとリックバルの二人をここに連れてきたら 何でも話してくれるのね。今日の午後にでも二人を迎えに行く。 それで良いよね。他に要望はあるの。今なら怒らないで 聞いてあげるから、答えなさい」ロフェアロが尋(たず)ねた。 泣き崩れていたトナーの顔には涙の後が残っていた。 「ヒックゥ。ヒックゥ。アルス叔母さんのご飯が食べたい」 「何?ご飯が食べたいのか ? わかった。ご飯を作らせて持ってくるように言っておく。 それでいいだろ!」 ロフェアロ護視正は5歳のガキの前でも優しさを見せることなく 無表情で淡々と聞いてきた。ロフェアロ護視正は的確に仕事を こなしてゆく完璧主義であり、頭の回転が良い女性であった。 イガルバ部長と比べると似たり寄ったりの所はあるが、 女性である場面を上手く使って、マスコミの前では清廉潔白な イメージで売り込んでいた。二重人格で表の顔と裏の顔を 巧みに使い分け、女であったが親分肌があって部下の面倒見も良く、 常識人であり、気配りの出来るリーダーとしての評判が良い。 ロフェアロ護視正の愛称は「孤高の鉄仮面」と呼ばれていた。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 10月 02日
ロフェアロはスカートのポケットから折りたたんであった一枚の紙を イガルバ部長に手渡した。 紙を広げると任務命令書と書いてあった。 イガルバ部長は一枚の紙を読み始めた。 「ロフェアロ護視正殿 貴殿へ特別任務を命ずるトナー・ハロルド事件の捜査・事情聴取・ 刑事裁判の一環業務を貴殿に命ずる。 現在、イガルバ部長が聴取を行っていると報告を受け、 護衛庁内部部局では、早急にロフェアロ護視正に引継ぎを行い、 イガルバ部長殿にはヴァルゴ盗賊団の捜査続行を命ずる。 またトナー・ハロルドに関する捜査資料はロフェアロ護視正に 包み隠さず渡す事を命じ、イガルバ部長殿にはヴァルゴ盗賊団 の捜査部隊を編制し、延べ500人程の捜査員を配属させ 捜査部隊長の役職を与え、早急に解決する事を期待している。 護視長 ジョン・ラッセル な!な!何だ ?これは!お前!上に頼んだのか!」 イガルバは叫んだ。 「違うわ!イガルバ!あんたには別の仕事があるでしょ。 ヴァルゴ盗賊団の方を早く解決しなさい! ここからは私に任せなさい。 あんたが子供嫌いなのは、同期の私が知っているし、 そして今回の事件はマスコミの関心度が強すぎるのよ。上は多分? 私に命じて、マスコミ対応を取り計らって欲しいだけなの。 あんたには他の事件でキャリアを積んだほうがいいんじゃないの」 ロフェアロ護視正はラッセル護視長に頼み込んでこの事件を自分に任せて欲しいと 頼み込んだことを隠すようにイガルバ部長を説得した。 イガルバ部長も薄々解かっていた。そして自分の仕事を横取りされた 気分を味わい苦虫を噛み潰したような顔をし、言いたいことは 山ほどあったが沈黙から口を一文字に閉じていた。 イガルバ部長はロフェアロ護視正の目の前を横切って階段を上っていった。 女はイガルバ部長の背中を目で追いかけると、同じことを 繰り返すように言った。 「大丈夫よ。あの子の件は私に任せておきなさい。 あんたはヴァルゴ盗賊団を捕まえなさいよ。 わかった。全員捕まえるのよ。イガルバ」 ロフェアロ護視正は大声で叫んだ。 イガルバ部長は何も語らず、哀愁が漂っていた。 鬼軍曹と呼ばれる男でも怒鳴りつける事もなく、 無言で寂しげな態度で両手をズボンのポケット に突っ込んで静かに歩いていった。 イガルバ部長は護視監になることが目的であり、 キャリアを積んで出世する事が狙いであった。 将来はエリートとして成功した功績を書いた自叙伝を書くのが夢である。 そして、男は20年後の退職金の一部である500万ギルという大金で 自叙伝を自費出版した。しかし、ほとんど売れずに自宅に返本され、 全世界の図書館に寄贈したが後々廃棄処分されたのであった。 だが最後の最後まで世評は悪かった男は鬼軍曹イガルバと言う名だけ が護衛庁の教本の中に書かれてあった。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 10月 01日
階段の中腹あたりに顔を向け睨み付けたイガルバだった。 カツゥカツゥと物音を立てながら階段を下りて来た厳格そうな女性は イガルバ部長の前に現れた。 紺色のスーツと短めのスカートを着て、黒色のヒールを履いていた。 そして銀縁の眼鏡をかけた美女は金色に輝く長髪を後ろにひっつめて、 髪ゴムで束ねて、馬の尻尾のようなヘアースタイルことポニーテール にしている女の名はガネリア・ロフェアロである。 ロフェアロは護衛庁内で絶世の美女と噂されるほど美しくスタイル抜群で モデルと思われるほどの気品があり、非の打ち所なく、イガルバ部長の上司でもあった。 「ロフェアロ!何の用だ。お前には関係ないだろう!さぁ。帰った帰った」 イガルバ部長は階段でロフェアロを邪険にして、トナー・ハロルドに 会わせない様に追い払おうとした。 「何をやってんの。退(ど)きなさい! 私は護視正で、あんたは単なる護衛部長でしょ。上司の命令が聞けないの!」 ロフェアロ護視正は唸(うな)った。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 春日飛憂でございます。 気軽にコメントを書いていただきたくことを願っています。皆さんの思いをそのまま書いてください。 多分、皆さんは神様のように素晴らしい人であると信じております。きっとステキなコメントを書い てくれると期待しております。そして、掲示板の方に貴方のブログを宣伝して下さい。この活動が 理解されるまで根気強く書き続けております。一度でも拝見していただいた人に感謝申し上げます。 2008年 09月 29日
「ん。それで。両親がいなくなったところを見たんだろ ?」 イガルバ部長は聞き返した。 「うん。見た。ピカッと光ったら居なくなった」 「それじゃ。続けて聞くぞ。聖母神アテーナのことは覚えているか ?」 「憶えてない」 トナーは真面目な面持ちで首を横に振った。 「うん。これは嘘を言ってないようだ。 ゴディバ塔のことだ。手紙には螺旋(らせん)階段を下ったらしいが本当か ?」 イガルバは上ずった声で聞いてきた。 「うん。本当だよ。階段を下ったよ」 トナーは素直に答えた。質問攻めされてうんざりしていた。 5歳児のトナーは飽きてしまい、部屋の中で動き回っていた。 まるで動物園の猿のように縦横無尽に走っていた。 それを見ていたイガルバ部長は無言になってしまった。 男は無表情で鉄格子を思いっきり蹴っ飛ばすと怒鳴った。 「小僧。そこに座れ。座れといっているのが聞こえんのか!このバカ者が 最後の質問だ。ブルーデュリア星にいるパパとママに会いたいか ?」 「会いたいよ。パパとママに会いたい。会いたいに決まっている事を何故聞くの ? 会いたい。ママに会いたい。会いたい。会いたい。パパとママに会いたい」 と泣き叫ぶトナーはまるで目覚まし時計のように甲高い声で鳴き崩れると 聞き分けの無い子になっていた。 床にうつぶせになって、涙がポツリポツリとこぼれ落ちると ウェーン。ウェーンと鼓膜が破けそうなほどの大きな声で鳴くトナーだった。 それを見ていたイガルバ部長は慰めるわけでもなく、 両耳に指を入れて逃げるように去り、階段を上っていった。 イガルバ部長は捨て台詞を吐いた。 「これだからガキは嫌なんだ」 「また。泣かしたの」 イガルバ部長は誰だかわからないが美しい声で女性と思われる 聞き覚えのある声を耳にすると見上げた。 「誰だ!」とイガルバ部長が叫んだ。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 29日
口のまわりにはチョコレートを頬張ったあとが残っていたトナーは、イガルバ部長を 小ばかにするような目線で見ていた、それはまるで新しい玩具をみつけたように イガルバがどんな顔して怒鳴り声をあげるのかワクワクしていた。 「それじゃ。まず聞きたいことがある。占い師にあって、その時は何を聞いた?」 イガルバ部長がトナーに問いかけた。 「知らないよ。憶えてないもん」とトナーが言った。 「憶えてないはずがない。その時に手紙を貰ったんだろ ?」 トナーは目蓋を閉じて必死に何かを思い出そうと額をかいてみた。 すると占い師から貰った手紙を思い出した。 「ああ。あれでしょ。パパとママのことが書いてある手紙」 「そうだ。パパとママの事が書いてある手紙だ。お前の両親は赤い鎧を着た 鉄巨人に捕獲されたんだ。憶えているか ?小僧。お前の目の前で両親は 変な術で消えていったと手紙には書いてあったがどうだ」 イガルバ部長は小さなメモ帳を見ながら聞いてきた。 トナーはママとパパの顔を思い出した。パパはいつも本を読んでくれた。 ママは厳しかったけど、いつもそばにいた。当たり前の生活から一変して 僕はどうして ?こうなったのか ?疑問符だった。するとトナーの目から 涙がこぼれ落ちると袖で涙を拭いた。 「おい。おい。何 ?泣いているんだ」 イガルバ部長は戸惑いつつ尋ねた。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 28日
イガルバ部長は周囲を見渡してから誰もいなくなったのを確認すると鉄格子の前に戻った。 「おい。小僧。チヤホヤされているじゃねぇか ?どんな気分だ ?」 イガルバは難癖をつけていた。 トナーはイガルバを無視して菓子を食べていた。 「おい。小僧。俺にも菓子をくれ」 「ヤダ」 トナーは仏頂面で言った。 イガルバ部長はトナーのお菓子を横取りしようと鉄格子の間から手を伸ばしてきた。 トナーは奪われてしまうと一瞬で感じ取ると鉄格子から離れた場所に菓子を置いた。 「あっかんべぇ。お前なんかにやらないよ」 と言ってイガルバ部長を挑発した。 「まぁ。いいや。おい小僧。お前ぇの所為(せい)でマスコミがうるさくてかなわんな」 「おっちゃん。何時(いつ)ここから出してくれるんだ」 トナーは一日も早くアルス叔母さんに会いたかった。そしてアルス叔母さんの 美味しい料理を食べたかった。ここのご飯は最低な料理ばかりで、 まるで豚の餌ようなご飯だった。 カチカチの黒パンと具の無いスープとヒヨコ豆の煮物だった。トナーは一口も 食わずにそのままだった。 運良く朝からお菓子を持ってきてくれたので朝食代わりに頬張っていた。 「おい。おっちゃんが色々聞くから素直に答えてくれるか?」 イガルバ部長にとって一番苦手なのは子供だった。子供はうるさい上に暴れたり、 突然泣いたり、叫んだり、物を投げる等の理由で苦手意識を持っていた。 3歳から5歳までの子供は特に苦手だった。 イガルバ部長は眉間にしわを寄せながらズボンに入れてあった小さなメモ帳と鉛筆を 取り出した。体のでっかいイガルバが小さなメモ帳に小さな鉛筆で字を書いている姿は 滑稽(こっけい)であった。 「ねぇ。おじちゃん ?どうして大きな紙に書かないの ?」 トナーはクスクスと笑いながら聞いてきた。 「うるさい!」 イガルバ部長は一喝した。男にとってトナーの印象は出会った時から気に食わなかった。 トナーが女の子達の前では愛想笑いを繰り返し、 可愛い声で「おねぇちゃん。ありがとうごちゃいます」と言われる度に 彼女達が虜になったところでトナーは自然と女の子の目をじっくり 見詰めていたのであった。彼女達はその一瞬で心を奪われていたことを 冷静に分析したイガルバ部長だった。 普段のイガルバ部長なら怒鳴りつけて自分の強さを見せ付けていたが、世間が注目 しているトナー・ハロルドだけはVIP扱いするほどの事情聴取をする破目になっていた。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 26日
多くの人が留置所の前で佇みトナーを眺めていた。それは哀愁と歓喜が入り混じった 空気が漂っていた。朝から流れたニュースを生中継でトナーの手紙を聞いたことで 国内では賛否両論の意見に分かれていた。トナーなんて ?猿にでもなっちゃえという 声がどこからと無く聞こえていた。幼いトナーでも何気にわかっていた。 きっと猿になるのだろう ?と小さな心は何かに潰されそうな思いを隠して 無理やり笑顔を作っていたトナーだった。本当は思いっきり泣きたかったに違いない のに訳もわからず留置所に入れられ、困惑している気配を消すように振舞っていた。 そこにデブのイガルバ部長が脂ぎったフライドポテトを紙袋にいっぱいに入れて 歩きながら食べていた。右手には500ミリリットルペットボトルを持ってグビグビと 音を立てながら飲んでいた。 それを見かけた護衛庁の女性社員たちが聞こえないようにブツクサと言っていた。 「うわぁーイガルバだ。今日もフライドポテトにコーラだ。あれじゃダイエットは無理ネ。 イガルバって。性格も最低。見た目も最悪だよねぇ。いいところある?」 「あるわけないじゃん。トナーちゃんの人気度が100なら?イガルバは5でしょ」」 「えー ヱ==(゚∀。)==ッ! 5もあるの ?それって100人のうち5人は イガルバに抱かれても良いということ ?」 「イガルバに抱かれるなんて想像しただけでも無理」 女性社員の二人の会話を耳にしたイガルバはいきなり怒鳴った。 「おい。お前ら何 ?サボっているんだーー。仕事。仕事。早く戻れ!」 留置所の前にいた200人はあっという間に蜘蛛の子を散らすように逃げていった。 イガルバは嫌われ者と自分の中で認知していた。 悪役になろう。悪役になって嫌われ者になってしまうことで、 イガルバ部長は自分の立場を維持していた。男にとって怖いという印象を 周囲に植えつけられることで部下達に厳しく教育でき、絶対服従の関係を保っていた。 部長であるがゆえに部下にかっこ悪い姿は見せる事はできずに体罰なんて 日常茶飯事であった。イガルバ部長は護衛庁の鬼軍曹と呼ばれることに抵抗はなかった。 実は部下達が自分のことを鬼軍曹と思ってくれることが誇りだった。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 25日
パトリックレティア王国でナンバーワンと噂される年配だけど若さ溢れるベテランで 睡眠時間2時間でモンスターキャスターのミノ・モンタギューの番組 「モーニングズバット」では大きなフィリップボードを使ってトナー・ハロルドの特集 が放送された。男は黒光りした肌を全面に出し、立て板に水のように原稿を読むと、 次から次へとボードを使ってわかりやすく説明するのが得意であり、 原稿も自ら作成しアドリブでその場を乗り切ってしまうアナウンサーテクニックは 歴史の教科書に残るほどの偉人である。各テレビ局では達人が司会をした番組 は必ず成功すると評判が高く、平均視聴率は15~20%と視聴率を取れる顔で あり、数々の番組を成功し、業界ではドンと呼ばれるほどの逸材である。 問題は占い師ヴァランタン・バリ・バロアニューの手紙の内容に注目されていた。 護衛庁のイガルバ部長も朝のニュースを見ていた。イガルバ部長は番組を録画 した。時々頷く場面を見せながらテレビを黙ってみていた。 自分のデスクに戻ったイガルバ部長は机の上に置いてある魔法のタイプライター のスイッチを押し、マイクの部分に声を吹き込むと捜査資料を作成した。エリート であるイガルバ部長に誤認逮捕は許されないのであって、トナー・ハロルドを 連行した事で護衛庁の評判は悪くなって行くと護衛庁大臣のハロゲルト・ゲバルド の秘書が朝方から報告書を作成するように急かされていた。 護衛庁の前では各テレビ局の取材陣がカメラをあちこちに設置して、 トナー・ハロルドの状況を語っていた。 報道記者たちは護衛庁の女性たちに直接声をかけている姿があちこちで目撃した。 「すみません。トナー・ハロルドは今は留置所にいると思われますがどんな様子か 知っていますか?」と取材記者は猫なで声の如く、優しく聞いてきた。 「トナーちゃんですか?そうですね。元気ですよ。昨夜は夜鳴きもせずに寝ていました。 今朝はトナー・ハロルドを見たいために私達も列を作って覗きに行ったのですが 凄い行列でした。凄く可愛い顔で目なんかクリクリとした大きな瞳で見ているだけで 吸い込まれるように惹かれちゃうんですよね。それはまるで動物園のあれ。あれ。 コアラを見るようにみんな行列していました」 「トナーは元気なんですか?それで今も行列を作っているのですか?」 「はい。多分?」 「どこ行っても行列ができちゃうんですね。トナーちゃんは凄いですな」 「不思議なんですよね。あの子の顔を一度見ると幸せな気持ちになるのです」 気を許した護衛庁の女性は親しみを込めたように話し終えると庁内へ ハイヒールをカツカツと音を立てながら小走りで去っていた。 彼女の背中を目線で追いかけた取材記者は軽く会釈すると 「ありがとうございました」と小さな声で呟いた。 一方その頃、護衛庁の留置所では200人ほどの行列が並んでいた。 目当てはもちろんトナーであって男女問わず皆、トナーをひと目見たいために 地下のあるカビ臭い留置所に列を作ってまで集まる光景は不思議だった。 普通なら罪人扱いされ、酷い仕打ちを与えるのが当たり前なのに、どこに行っても トナーの噂は評判が良かった。トナーの悪口を聞いたことが無いくらい護衛庁の 中でもアイドルのようになっていた。 留置所の中には多くの菓子が入っていた。キャンディー、クッキー、サブレ、 パウンドケーキ、チョコレート、ゼリービーンズ等がトナーの目の前に並んでいた。 トナーは興奮していた。こんなにたくさんのお菓子を目の前にしたことは一度も無かった。 なぜなら、実のお母さんは手作りのクッキーを3枚だけ与えるのが日課だった。 それも勉強が終わらないとおやつを食べさせてくれないほど厳しく躾けられていたからだ。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 23日
アナウンサー達は店の前で証拠となる品を待っていた。 「お待たせしました」 とリックバル叔父さんの手には一通の手紙を持っていた。 新人アナウンサーは逸早くスクープを取りたくてリックバル叔父さんにマイクを 口元を押し付けるように出してきた。 「手紙のようですが差出人が誰ですか ?」 新人アナウンサーは他の記者を掻き分けた。このスクープを勝ち取ってやろう と真剣な眼差しで先輩記者のプレッシャーを撥ね除けると男は一歩前に足を出した。 多くの報道キャスターが騒いでいた。証拠となる手紙の内容を誰もが知りたかったのだ。 「リックバルさん。手紙を読んでください。お願いします」 隣にいた記者がリックバル叔父さんに聞いてきた。 リックバル叔父さんは手紙の封筒から便箋を取り出した。 記者達はどんな事が書いてあるのか自然と興味津々になると皆(みな)黙ってった。 「それでは読みます」 とリックバル叔父さんが言ったのち、子どもに読み聞かせするように手紙を読み終えた。 「それって。本当ですか?手紙ではトナーは聖母神の力でこの世界に・・・ 嘘っぽいですがあのヴァラン先生が書かれた手紙なんですよね」 ベテランアナウンサーは鋭い指摘をするように問いかけた。 嘘のような話であったが国内ではヴァランタン・バリ・バロアニュー先生は 色々なテレビ局にコメンティターと出演されている世界一有名な占い師である。 ヴァラン様の信者は4億人以上はいると噂され、自身の占い本が売されるたびに、 世界の総売り上げ部数は1億部を突破するほどの驚異の記録を更新していた。 過去に取材をしたアナウンサーはあまりにも緊張してしまい何も出来ずに帰ったと 噂されるほどの人物だ。そして占いの力というよりヴァラン様の潜在的な能力である 千里眼が鋭く、人の隠れている部分を見抜くことができる摩訶不思議なパワーを 持っており、千年に一度の天才と噂される占い師の一人である。 「はい。そうです。ヴァラン先生が書いた手紙であります」 リックバル叔父さんは率直に答えた。これ以上聞かれても答えられない形相へと変わった。 しかし、記者は聖母神のことが気がかりで次から次へと質問攻めを繰り返した。 「リックバルさん。リックバルさん。その手紙に書かれていることを信じているのですか? 私は神の存在を信じてないとは言い張る事ができないのですが、聖母神アテーナの存在が 嘘のような本当のようなわかりかねます」 「手紙に書かれている内容については先生に聞いてください」 とリックバル叔父さんは逃げるように取材を勝手に終わらると店内に戻っていった。 「リックバルさん。リックバルさん」 多くのキャスターが玄関ドア越しにガヤガヤと騒いでいた。 各テレビ局はトナー・ハロルドの事件を朝のニュース番組で放送した。 パトリックレティア王国でトナー・ハロルドを知らない人は少なくなっていった。 この日から話題は人間の子トナー・ハロルドは何 ?と噂が広まった。 そう。マスコミはトナーを頻繁に取り上げるようになったのは言うまでも無い。 テレビで放送されるたびにトナーの人気は益々上昇した。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 22日
「ママぁ。ママぁ。大変。大変。大変」 さっき勝手口から出て行ったリックが慌てて居間に戻ってきた。 「なに?なにがあったのよ」 アルス叔母さんは息子のリックが駆け込んできた姿を見ると、 素足のまま店内を走ってゆき玄関を開けたら多くの人々が アルス叔母さんを見つけるといきなり押しかけてきた。 「アルスさんですよね。アルス・ババロアさん。パトリックテレビの者です。 事件について話してくれませんか?トナー・ハロルドについて答えてください」 驚いたアルス叔母さんは玄関のドアを思いっきり閉めなおした。 気が動転するほど戸惑っていた。どうしよ。どうしよ。 と心の中で何度も叫んでいた。 「パパァ。どうしよう ?取材の人達が、い・・・いっぱい」 アルス叔母さんは頭をかきながら震えていた。 リックバル叔父さんは何か吹っ切たように立ち上がると、落ち着いた感じで 靴を履いてから店内を歩いてゆくとアルス叔母さんに声をかけた。 「ママ。ママ。取材はパパに任せて。ママは居間で休んで」 普段は物静かで頼りない夫が今日だけはスーパーマンのように 頼れるヒーローに見えたアルス叔母さんだった。 「大丈夫 ?」 「ママ。それじゃ行ってくるね」 リックバル叔父さんがそういうと店の玄関ドアを開けた。 アナウンサーはリックバル叔父さんにマイクを向けた。 「リックバルさんですよね。昨日の事件について何か言ってください。 なんでもトナー・ハロルドを最初に見つけたのは、あなたと言っていますが どうなんですか ?」 3台のテレビカメラがリックバル叔父さんのほうに向いていた。 そして6本のマイクが口元に刺さるように目の前に差し出されていた。 リックバル叔父さんは鼻で息を吸い込んでから、思いっきり吐くと覚悟を 決めた面持ちで話し始めた。 「はい。トナーは・・・トナーは猿がいる森の付近で見つけました。 そして、最初は単なる迷子だと思って家(うち)に連れてきたのです。 それでトナーはゴディバ塔から来たと言い張るのです。皆さんは 信じてくれないでしょうが、あの子はゴディバ塔から来たのです」 リックバル叔父さんがひと言ひと言丁寧に語った。 「可笑しいですね。ゴディバ塔はすでに壊されているはずですが、 可笑しくないですか?わかりやすく言ってもらえないですか?」 アナウンサーは半信半疑で聞いてきた。 再び、マイクをリックバル叔父さんの口元に近づけた。 リックバル叔父さんは仕事だからと言う理由で身勝手な態度を 取り続けていたアナウンサーに苛立ちを感じたけど素直に話し続けた。 「信じてもらえないけど、トナーは神の力でこの世界に迷い込んでしまったのです。 神の悪戯(いたずら)みたいなもので、時空の狭間と言う我々の理解できない世界 を漂っていたらしく神がトナーを救ってくれたのであります。しかし神は間違って この魔法の世界、パトリックレティア王国に連れてきてしまったのです」 「嘘でしょ。嘘なんでしょ。そんな作り話じゃだまされませんよ。 実はトナーはあなたの子どもで魔法が使えないだけじゃないのですか?」 アナウンサーは食い下がる事なく聞いてきた。 何故なら男は上司の命令でトナー・ハロルドが どうやってこの世界に来たのか聞いてこいと言われていたのであった。 「嘘ではないのです。証拠があるのです」 リックバル叔父さんは口から思わずとんでもないことを言ってしまった。 後々、これが大きな問題になるとは知らずいってしまった。 「証拠って何ですか ?」 アナウンサーは出鱈目な作り話だと思っていたけど、証拠があると言われたら 疑っていた気持ちが徐々に信じるようになっていた。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 2008年 09月 21日
ケーキ屋の前にいた野次馬はリックが説得し、それぞれ戻っていった。 3人はいつものように居間で朝食を取り始めた。普段ならトナーがリックバル叔父さんの そばで甘えていたはずなのに。 「ママ。トナーは必ず戻ってくるから」 リックバル叔父さんはアルス叔母さんに駆け寄った。 肩を触ってきた夫を煙たがったアルス叔母さんは、また同じことを何回もしつこく言い始めた。 「何言ってんの!あの子は5歳なのよ。パパは心配じゃないの」 「あの子なら大丈夫だよ」 リックバル叔父さんは何の根拠は無いけど、思いつきで言った。 「なんで?そんなことが言えるの。これは戦争なのよ。あのデブ部長との戦いであって、 トナーを守ってあげられるのは私達だけで、有能な弁護士に依頼して無罪を主張するの。 ねっ。パパ。そうでしょ」 アルス叔母さんが声を張り上げて唸った。 渋々、リックバル叔父さんは有能な弁護士を捜す破目になった。 「わかったよ。ママ。裁判で連戦連勝している凄腕の弁護士に頼めば良いんでしょ。」 リックバル叔父さんは売り言葉に買い言葉の如く言い返した。 「ああ。そうよ。凄腕の弁護士よ。この国で一番凄腕の弁護士だからね。 へぼな弁護士なんか依頼したら承知しないよ。あのデブ(イガルバ部長)が何も 言えないほどの凄腕の弁護士を捜すんだよ。パパ!」 アルス叔母さんは怒りをあらわにして吼えた。それを聞いていた息子のリックは 事情聴取で何があったのか想像できた。きっとあの二重あごでプロレスラー並に でかい男にネチネチと聴取された挙句に脅されなきゃ普段は優しくて、気立ての 良い人って噂されるほどのママがこんなにも鼻息を荒くして戦闘意欲満々の ママになるなんて有り得ない。そうなんだ。ママにとってトナーは我が子なんだ。 我が子と思って可愛がっていたに違いないとリックは思ったと同時にトナーに嫉妬 と葛藤が入り混じった複雑な思いでママを見詰めていた。 「ん。リックどうしたの?ご飯を食べないの?早くご飯をすませて学校に行った。行った。 あとのことはパパとママに任せておきなさぁい」 リックはパンを頬張ると牛乳で流し込むと親に心配をかけてはいけないと思い気をつかった。 カバンを肩にかけ、学校に出かけようとした。 「ママ。行ってくるね」 「いってらっしゃい」 とアルス叔母さんがいつものように見送ると、肝っ玉で優しいアルス叔母さんに戻った。 「パパぁ。ご飯食べたら店をあけるよ。わかった?ねぇ聞いてるの?」 「うん。わかってる」 リックバル叔父さんは素っ気無い態度で空返事をした。 人気ブログランキングへ ↑人気ブログに登録しました。皆さんの応援が支えであり、クリックしてください。 お願いします。「パトリックレティア王国物語」の今後をご期待ください。 第1話 ↑第1話から読む方はこちらになります。 長文ですが、ごゆっくり読んでくださいね。 |
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